和歌山市北部の紀ノ川からほど近い敷地に建つ動物病院の計画。
待合室、受付、診察室、相談室、処置室、入院室、隔離室等、小さいながらも多くの部屋を求められる動物病院は、さながら小さな総合病院のようである。ゆい動物病院でも、トイレ等も含めると150㎡程度の床面積で、20以上の室とスペースから構成されている。
ゆい動物病院では、用途や機能によって8つの棟に分けている。分棟にすることで、採光等の環境面でのスペックを担保するだけでなく、それぞれの棟に必要な機能や空間のスペックを与えることが可能となっている。各棟は相互の機能上の関係性を考慮して、統合している。
また、昔から「暴れ川」と言われる紀ノ川の氾濫時の浸水深を考慮して、フロアレベルをGL+1000とし、ランドスケープで盛り土を施している。それぞれの棟は周辺地域に多く見かける住宅の屋根形状を参考にしつつ、犬小屋をモチーフとした切妻屋根としており、小山の上に平屋の切妻屋根のヴォリュームが折り重なる風景をつくりだしている。