小さな住宅の大きな広がり

 同じオフィスをシェアする先輩の設計した住宅のオープンハウスに行ってきました。
設計段階からのプロセスを眺めていただけに実物との比較が楽しみだった作品。
高さの異なるヴォリュームを雁行させながら、内外部空間を連続させることで、
80㎡の小さな面積にもかかわらず、思いがけない広がりを感じる住宅。
ディテールも要所にちりばめられた知性を多く感じることができました。
現在設計中の同規模の住宅を進めるにあたり、この小さな住宅から大きな勇気を頂きました。

久しぶりに眺める風景

宇治市役所から実測調査をする診療所に移動する合間に宇治橋へ。
宇治は中学時代を過ごした街なので、宇治橋へもよく来たはずなのに、
久しぶりに眺める風景は、昔日常見ていた風景と少し違って見え
旅行者のような新鮮な気持ちで、15分程のんびりしました。

次は時間をとって、平等院とか万福寺にも行きたいです。

言葉の力

 先日 キューバの英雄であるチェ・ゲバラを描いた『チェ 28歳の革命』を鑑賞。ユージュアル・サスペクツ以来のファンであるベニチオ・デル・トロをひいき目に見た映画自体の感想はさておき、人並みではあるがチェ・ゲバラ自身のカリスマ性に惹かれた。 そのカリスマ性とは、その行動力は当然のことながら、人を惹きつけるシンプルながら力強い言葉によるところが大きいのではないでしょうか。

 

最近大統領に就任したバラク・オバマが世界中から期待を背負い、支持されているのも、彼の容姿や黒人初の大統領ということよりも、彼が発言するそのシンプルで力強い言葉が人の心に入りやすく共感を得やすいのでしょう。難解な言葉ではなく、真意を集約したワンフレーズ。そのワンフレーズが人の心を捉える。

 

 人に説明を行い、共感を得て、ものを作る設計という仕事においても、言葉は非常に重要なツール。上記の偉人に感化され、私自身も思いを伝える言葉を大切にしたいと改めて思う。

今宮戎

 恒例になった今宮戎に行ってきました。
開業する前の年から参詣しているので、今年で3回目になります。

今宮神社の十日戎は”千と千尋の神隠し”のような雰囲気で、
他にない独特の世界をかなり気に入っています。

不況になると参拝者が増えるそうですが、9日の宵戎に行ったせいか、
それ程多くなかったですね。
ともあれ、戎さんの力で不景気による
社会全体の閉塞感を払拭してもらえることを祈ります。

あけましておめでとうございます

 あけましておめでとうございます。
本日から、また新たな気持ちで始動していきます。
本年もよろしくお願いします。

エコロジー

アーキフォーラムを聴講。

環境を切り口に設計活動をされている小玉祐一朗さんの講演。


僕自身、世の中で叫ばれる環境とかエコロジーの多くが胡散臭いと感じていたので、
小玉さんが、冒頭に“エコロジーの怪しさ“について切り出され、
環境を人間の身体性や脳の問題等へと展開されたことにすごく共感できました。
大雑把な言い方をすると、
二酸化炭素の排出量や使用電気量といった“数字だけのエコロジー”ではなく、

四季や一日の時間を通じて変化する”各個人が感じる快適性を加味したエコロジー“。


僕自身はその数字を批判するわけではないのですが、

ある仮定のもとで算定される数字には、
結論ありきで捻じ曲げられているのではと感じるものも。

例えば、高速道路の予想交通量やエコロジーをうたう機器など。

算定式に最高の条件のみを入力しているのでは・・・?!と。

 

エコが叫ばれる世の中になっただけに

多くの企業によるコマーシャルな“数字だけのエコロジー”や

行政によるポリティカルな“数字だけのエコロジー”が広がっているように感じます。

そんなエコロジーを無批判に受け入れるのではなく、
一定の
距離を置き、客観的な視点で捉えることの重要性を
改めて考えさせられた講演会でした。

建築の軸性

 休みなく続けてきたコンペの大量の作業から開放され、久しぶりに京都へ。のんびりするために、東山の三十三間堂にいってきました。

 浄土の思想における西は極楽浄土(インド)を示しており、浄土教のお寺は参拝者が西を向いてお参りできるように、東が正面となっていたそうです。平等院鳳凰堂や浄瑠璃寺はその代表で、三十三間堂もその一つだったと予想できます(あまり知らないままに書いていますが・・・)。浄土教のお寺が西への軸を強調するために、東西軸に対して左右対称でした。平等院鳳凰堂や浄瑠璃寺は、さらに前面に水盤を作り、写像を写りこませることで、より軸性を強調していたのに対し、三十三間堂は南北33間(120m)という長さで、直行する軸性を強調しているように感じました。また、120mの室内に整然と並べられた1001体ある千手観音像も、正面の扉を開けて、外部から見ると軸性をさらに強調する要素になっていたのではと感じました。



 昨日提出したコンペは、軸性をテーマに設計していたので、ふらっと訪れた三十三間堂で軸性について考えさせられたのは、すごく偶然な好運ですね。僕が設計していたものが、直接的な軸性の表現であったのに対して、三十三間堂は間接的な表現でありながら、その強さを感じられるもので、すごく考えさせられます。うまく表現できませんが、建築的ヴォキャブラリーが増えて、すごく今後につながりそうな感じがします。

コンペ提出

9月中旬から取り組んでいたコンペを無事提出しました。40歳以下の六甲山頂の展望台の実施コンペ。事務所をシェアしている先輩とのチームでの参加。この先輩とのチームは熊本駅西口駅前広場のコンペ以来の二回目。この時の反省を生かしてのリベンジに挑戦しました。今回のコンペでは、熊本での反省点をすべて克服できたと、かなり満足しています。

40歳以下限定コンペですが、建築メディアで話題になっている人も多く参加していると思われるので、まずは一次審査通過できればと・・・。11月26日の結果発表が待ち遠しいです。

第二回トステム設計コンテスト

第二回トステム設計コンテストにおいて【福島耳鼻咽喉科】が佳作を受賞しました。


詳細は後日HPにも発表されるそうです。

青春のロシア・アヴァンギャルド展

サントリーミュージアムで開催されている青春のロシア・アヴァンギャルド展を見に行ってきました。
ロシア・アヴァンギャルドについては建築の活動を除いて不案内ですが、建築に関連したロシア構成主義を少し勉強したことがあるので、かなり新鮮な気持ちで鑑賞できました。


Kazimir Malevich
カジミール・マレーヴィチ
やアリスタルフ・レントゥーロフの原色を多用した色彩表現や実物を抽象表現等、多くの前衛芸術家がロシアの革命期に新たな表現を模索したことがよく伝わってきました。このような新たな芸術運動が絵画や彫刻だけでなく、写真や建築と連動して展開されたということに非常に刺激を受けました。


Aristarkh Lentulov
展示の
1ブースを占めていたグルジアの国民的画家のニコ・ピロスマニの絵画は、ロシア・アヴァンギャルドの芸術が新たな活動を模索していたのに対し、牧歌的な素朴な表現で、芸術の別の側面を見せてくれたような気がします。
Niko Pirosmani

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