集落への憧憬

 少し時間ができたので、数年間とりためた世界遺産の整理作業。
ナレーションが緒方直人、寺尾聰、オダギリジョー、中村勘太郎、市村正規と時代を追って変わっていくのが懐かしい。
数年間の録画を簡単に見返して、自然と遺跡、集落という個人的な興味で分類。
自然遺産や遺跡も興味があるが、歴史街区や集落を取り上げたものに最も惹かれる。
様々な場所で人が生活を営み、時間の中で創り上げる風景に興味がそそられるのだろう。
考えてみれば、旅行でも単体の建築よりも歴史街区や集落に足を運んでしまう。


世界遺産を見返しながら、次はどこに行こうかなと想像していました。

未来への思考

新たなクライアントへの最初のプレゼンテーション。
過去に実現には至らなかった住宅の模型を
敷地規模が似ていたので参考に見てもらったら、
非常に気に入ってもらい、設計依頼へと繋がりました。
過去に真剣に思考した結果がこのようにつながることに少し感激しました。

設計とは様々な思考を集積していくことであり、
過去の思考したことは色々な形で現在や未来につながっていくと感じています。
設計条件の少し厳しい住宅ですが、
クライアントが非常に意欲的なので、
やりがいのあるプロジェクトになりそうです。
新しい思考のスタートです。

工場ノスタルジー

床材メーカーの東リさんの御好意で工場見学へ。

普段はサンプルや施工現場で梱包を解いた状態でしか見ることのない建材の
原材料から梱包にいたるまでの過程を見ることで、
これまで何気なく使っていた建材に対する意識が変化します。

この意識の変化はエコや計画の考え方といった大きなことから、
ディテールやメンテナンスの考え方といった小さなことに至るまで様々。床材ロール

今回の工場見学で何よりよかったのが、工場というビルディングタイプが作り出す雰囲気。
安価で手に入りやすい材料で必要最低限の構造・仕上を施し、必要に応じて手を加えていく。
その姿はある種、自然発生的な形態となっており、何か懐かしさを感じました。
極端な言い方をすれば、集落に共通するノスタルジーような感覚。
少し前に『工場萌え』といった古い工場の魅力を発見するようなブログや書籍が話題になったのも、
工場にある独特このノスタルジーによるところが大きいなと納得。
配管

製品を製造する過程と共に少し面白い発見をさせていただきました。
レール

設計することの責任

先日福島耳鼻咽喉科の一年検査に行ってきました。
大きな問題もなく、クライアントから使い勝手もよいとの評価を頂き、ホッとしました。
なにより、クライアントが愛着をもって使ってくださっているのを見て、すごくうれしかったです。
このような機会があると、自分が設計したものをどのように使ってもらっているのかという期待と
何か問題はないかという不安を感じ、改めて建築を設計するということの責任を感じます。

主戦場

主戦場

 

改修工事の工務店が数奇屋大工さんである。

ある経緯でお願いすることになったが、

RCの改修工事で木工事のほとんどない現場で

一流の華道家に野球をしてもらっているような気分で

なんとなく心苦しい。


 

親方は数奇屋大工の見習いからを数えて60年だそうで、

有名な中村外二さんのお弟子さんで作品集も出しているような方。

施工のチームも数十年も一緒で、こだわりのある職人さんばかりらしく

建具屋さんは京都御所にも納めているような由緒ある老舗らしい。


今日は左官屋さんがタイルの下地のコンクリートを打っていたが

聚楽壁漆喰壁等の伝統的な土壁が得意なようである。

 




このような職人さんがこだわりをもって仕事をしてくれるので

完成がすごく楽しみである。

次に仕事を一緒にする機会があるとすれば、

自らの主戦場で本当の力を振るってもらえるような現場であって欲しい。

とある団地再生の計画提案

 以前勤務していた事務所の恩師との協同で
某住宅団地の再生計画案を取りまとめました。

高度経済成長期に膨大な人々の住宅需要を満たしてきた団地が
物理的劣化や社会的劣化に直面した状況で、
いかに再生すべきかの提案を行ったもの。


実現不可能なユートピアでもなく、
単なるノスタルジーでもなく、
人が生活するということを真摯に考え抜き
様々な観点から再生の落とし所を探っており、
課題とともに一定の成果を上げることができたと感じています。

現場の速度感

半年近く設計をしてきた診療所の改修工事が着工。

 



 

診療をしながら、休みの日と午後半休の限られた時間の中での工事。

工事着工まで既存の仕上げをめくることができず、

着工後も部分的に工事を進めていくため、

解体したときに想定外のことが多々起きる。


 


 

 

設計段階では入念に施工プロセスを検討していたが、

現場では設計段階で想定していたことと違っていた場合に即座の判断が求められる。

工事が始まると一気に速度感が速まった感覚を感じる。

一方でその速度感とか緊張感は、心地良い充実感にも感じられる。

 

 

 

第18回未来をのぞく住宅展

5月30日31日に下記イベントに参加いたします。
第18回未来をのぞく住宅展
文化パルク城陽(京都府城陽市寺田今堀1番地 )
5/30(土) 11:00~18:00 入場無料
5/31(日) 11:00~18:00 入場無料
お時間があれば、是非ご参加ください。

天然木化粧合板

年明けから進めてきた診療所の改修工事の見積図のアップ。
自ら提出日を設定したにもかかわらず、月曜日に見積図の提出日としたことを深く後悔。
性格的に提出日の2~3日前に完成するはずもなく、週末の徹夜を敢行した挙句の提出。
現場説明の際に家具屋さんから、診療所のメインとなる11mもある家具の天然木化粧合板のサンプルを頂いた。同じ樹種の色の異なる部位の2種類の突き板を40~150㎜程度の幅で、交互にランダムに貼ってバーコード状の柄の化粧合板としたもの。完成すると11mのバーコード柄の家具となる。

家具製作にあたり、家具屋さんの工場を見学させて頂き、いろいろと勉強させて頂いた。その結果として、デザイン的にもディテール的にも、これくらいはできるだろうと要望が高くなっていった。それに答えてくれる技術力の高い職人さんなんかと仕事をし、一歩踏み込んで考えてみることで、自分自身のデザインの幅が広がっていくのを肌で実感できる。こんな機会は本当に大事にしたい。
まだ化粧合板のサンプルしかできていないのに、完成への期待ばかりが膨らんでいる。

WBC

 先日WBCの強化試合を観戦しに行きました。
スター選手ばかりで、見ているだけで楽しくなるオーダー。
トラ党も、この日ばかりはミーハーなおっさんに化してしまうばかり。
ダルビッシュは少し不調に終わりましたが、それ以外は満足な試合でした。

明後日より本選が始まりますが、是非頑張ってもらいたいものです。

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