建築の手垢

 東大阪の家の配筋検査ののち、南港にあるプレカット工場での打ち合わせへ。
担当者にお願いして、プレカット工場を見学させてもらいました。
一瞬で機械が梁の端部や側面にオスとメスの仕口を切り出していく。
柱や梁の仕口だけでなく、床下地の合板の柱との取り合いの切り欠きまで、
CADで入力したとおりに切り出され、部材名が刻印されている。
小さな家の一棟分であれば、4~5時間で部材が完成するそうです。
機械の効率性と正確性に感動。


と同時に手作業ない無機質な感じに寂しさも少しありました。
また昔は南港に多くあった製材所も今では輸入品に押されて少なくなっており、
海に大量の原木を浮かべているという製材所の風景も10数年前にはなくなったそうです。

プレカット主流の時代にノスタルジーに浸るというのも少し近視眼的かとも思いますが、
建築には、どこかに手作業による手垢のような優しさがあるのがいいなと感じました。

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